〜涼恵の摩天楼漫文〜(14)
母の話
昨日、母と電話で話をした。
母はとても自分に厳しく真っ直ぐでいつも一生懸命な女性。
私は母が大好き。
私は両親から愛情いっぱいに育てられてきた。
それは、母が自分がしてきた苦労を子供たちに味合わせたくないという想いもあった
のだろう。
私が学校に行かずに自分の殻に閉じこもっていたときも母とはよく朝までずっとお
しゃべりしてはよく泣きよく笑った。こんな私にとことん付き合ってくれた。
些細なことで傷つき人の目を気にしてビクビク、いいたいことを端的に言えない私。
甘えんぼの私。
純粋培養…。
覚えたての言葉。
ここに来てよくそんな言葉を耳にする。
私のことだって…。
なんだか悲しくて悔しくて情けなくて
でもきっとその通りで、、、母にそのことを伝えたら急に泣き出してしまった
「ごめんね、すず、ごめんね…」って何度も
「おかあさん泥沼で育ったから、子供たちにはそんな思いをさせたくなかった。
でも社会ってそんなものよ。お母さんが育て方間違ったのかな。でもお母さんはすず
が大好きよ。」
わたしは強く思った。
人の目を気にするよりも自分が育まれてきた環境を軸に真っ直ぐに生きようと。
どう思われたって構わない。
自分に自信がなくても私の周りにいる人たちに大事に育てられた自分を信じようと。
謝ってほしくない。お母さんが間違っていたって言ってほしくない。
わたしが堂々と生きればいいんだ。
そう、想った。