2007年1月20日 朝日新聞(夕刊)
【ニューヨークの神主】「カーネギー舞台 自作の曲を披露」
ニューヨークに駐在する神主の新渡戸涼恵さんが13日、
カーネギーホールで自作の歌を披露した。
歌手として自作のCDを出し、9.11同時テロの追悼式にも参加して歌った。
1年あまりの仕事を終えて帰国直前の大舞台。
「最高の思い出になりました」
実家は神戸・三宮の神社。宮司の父を手伝おうと神職に就いた。
昨年1月に神道国際学会から派遣され、在留邦人向けにおはらいや、神道の理解促進
交流を進めてきた。
お正月にはマンハッタンの高層アパートに設けた神棚に150人が初詣に訪れた。
神様の名前をつけたCD「うましあしかび」を02年に発表。
昨年9月の同時テロ追悼式では、ビル崩壊の映像に触発されて作った曲「花の祈り」を歌った。
今回のコンサートも最後はこの曲だった。
「ニューヨークで歌いたいと思っていました。
客席と一体になって気持ちを共有できたと思います。」
(水野孝昭)
2004年3月18日 フジサンケイビジネスアイ
舞台に立つとき、「新渡戸涼恵」は、シンガーソングライター「涼恵」になる。「美しい日本の言葉をもっと知ってもらいたい」と願い、
ライブハウスや神社などで歌う。
ブラジル・サンパウロ生まれで神戸育ちの新渡戸さんが、
本番直前に必ず食べるのはご飯だという。
「お米を食べると力が入ります」
日本の心には、やはりお米がよくマッチするようだ。
コメといえば、国連は今年二〇〇四年を「国際コメ年」と定め、
国際的に関心を高めようと各国でシンポジウムなどを開催している。
FAO(国連食料農業機関)によると、世界の年間のコメ生産量は約四億トン。
その半分は、中国とインドで生産されている。
コメは世界人口の半分に当たる三十億人以上の主食でありながら、
生産に利用できる
土地や水は減少傾向にある。
実際、世界のコメ生産量は、一九七〇年代と八〇年代で
2・5%増となったものの、九〇年代に入ると、伸び率は1.1%に鈍化。
FAOはこのまま推移すれば、
世界のコメ需要を充足できなくなると警鐘を鳴らしている。
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2002年11月23日 産経新聞
日本海からあがる潮風に、身をよじらせる木々がいた。それでも雪が消え、芽が萌え始めた。
新曲はそんな、みちのくの遅い春に生まれた。
♪豊葦原の瑞穂の国 豊かに実る稲の恵み
「眠らせてずっと発酵させてきたような音と言葉が聞こえてきたんです。
何度も何度も体中に流れて・・・」
神主の実習で訪れた、青森・西津軽の高山稲荷神社。
御社殿への九十六段の階段で、境内で・・・。
今年四月、屏風山の一角にある小高い神域での出来事だった。
一ヶ月後、神戸の実家。入浴していたときに本居宣長の言葉が聞こえてきた。
〜たなつもの(稲)・・・日の大神の恵み得てこそ いただきます・・・あさよいに・・・
神の恵みを思え世の人 ごちそうさま
屏風山で生まれた歌に、この「宣長」の食前食後の感謝の言葉をつなげて、
新曲『豊葦原の瑞穂の国』が完成した。
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