〜涼恵の摩天楼漫文〜(13)
世界の雛形
混在し濁流し…その先
浄化はまだこの街には足りていない。
店頭に並ぶお花はスプレーで色付けられたもの
そして圧倒的に人々が買うのは造花ばかり
たとえ色素がうすくったって人の手を加えなくても花は花で美しい
たとえ水やりが大変だって、枯れてしまったって生命の息吹を感じたい
ここは自然が足りていない。
冬のせいもあるのかしら。
ここには人間のカルマで渦巻いている。
公園に暮らすリスたちもここでは害虫扱いなのだそう…。
歯に毒を持っているからなのですって。
今はまだ陰が目立ってしまうけど
きっときっと見つけてゆける
祈りは強くしなやかに
善も悪をも吸収しはじめる